FXの利益はいくらから税金がかかるのでしょうか。
この記事では、FXはいくらから税金が課せられるのか、FX所得の計算方法、FXの税金 の計算方法を紹介しています!
FX初心者の方、初めて利益が出た方、初めて損失を出してしまった方向けに、税金で失敗しない 注意点も解説していますので、ご確認ください!
1.FX所得はいくらから税金が課せられるのか
2.FXの所得の計算方法
3.FXの税金の計算方法
FXに課せられる税金とは!?
FXの所得には”所得税”と”住民税”という2種類の税金が課せられます。
所得には、企業にお勤めの方が受け取る給与が分類される「給与所得」や、会社経営で得た所得が分類される「事業所得」など10種類の区分があります。
【所得の区分】
所得の種類 | 具体例 |
利子所得 | 国債・社債・預貯金などの利子 |
配当所得 | 株式の配当金など |
不動産所得 | 地代・家賃所得・権利金など |
事業所得 | 会社経営・自営業による所得など |
給与所得 | 給料など |
退職所得 | 退職金など |
山林所得 | 山林を売った所得 |
譲渡所得 | 株式や土地などを売った所得 |
一時所得 | 賞金・保険の返戻金など |
雑所得 | 年金・原稿料・FXなど、上記9種に当てはまらない所得 |
FXの所得は「雑所得」
FXの所得が分類される「雑所得」とは、給与所得や事業所得などの他の所得区分に当てはまらなかった所得を指します。
FX以外で雑所得に分類される所得には以下のようなものがあります。
・公的年金
・書籍やネットライティングの原稿料や印税(作家・著作家は除く)
・講演料
・先物取引
・アフィリエイト収入
・ネットオークション収入 etc
所得区分によって課せられる税金(税率・税額)が異なるため、どの区分に該当するかを理解しておくことは意外と重要になります。
”FX=雑所得”でしっかり覚えておきましょう!
FX所得の計算方法
税金の額を算出するためには、まずFXの所得を計算する必要があります。
所得=取引損益(利益-損失)+スワップポイントー必要経費
所得の計算期間は、1月1日から12月31日までの1年間です。
※確定申告について詳しく知りたい方は下記の記事をご参照ください。
取引損益
取引損益とは、FX取引の結果出た利益と損失のことで、売買差損益とも言います。
取引損益はポジションを決済した(利益・損失が確定した)タイミングで課税の対象として認識します。
スワップポイント
スワップポイントとは、”通貨発行元の国と国の金利差から発生する通貨価値の調整額”のことです。
スワップポイントは、ポジションを保有している間発生し続け、プラスもあればマイナスのスワップポイントとなることもあります。
※スワップポイントについて詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
スワップポイントは取引損益と同様、実現した部分のみが課税の対象となります。
「スワップポイントの実現」は、以下の場合に起こります。
1.反対売買によりポジションを決済した時
2.受渡注文によりポジションを外貨に換えた時
3.スワップポイント振替で現金化した時
スワップポイントを付与された(含み益)だけの状態は所得に含まれません。ご注意ください。
経費
必要経費とは、FXをする上で使った費用のことです。
インターネット利用料や書籍代、振込手数料などが含まれます。
必要経費は使った都度、領収書などを残し、所得計算時に差し引きし忘れないように注意しましょう。
FX所得はいくらから税金が課せられる!?
FX所得はいくらから税金が課せられるのか。
答えは、FX所得が1円でもあれば税金が課せられます。
納めるべき税金の額は、所得税・住民税の確定申告を行うことで決定されます。
ただし所得税の確定申告は、所得によっては確定申告しなくても良いことになっています。
確定申告しなくて良い場合は、税金を納める必要もありません。
確定申告の有無で税金が大きく変わってきますので、所得税の確定申告が必要かどうかをしっかり把握しておきましょう。
それでは、代表的な所得のパターンに分けて所得税の確定申告要否を確認してみましょう。
FX以外で”所得がある”方(企業に勤めている方など)
1つ目のパターンは、FX以外で所得がある方です。
主に給与所得のある会社勤めの方が該当します。
この場合、FXなどの雑所得の合計が20万円を超える場合、確定申告をして税金を納める必要があります。
FX以外で”所得がない”方(専業主婦・主夫など)
2つ目のパターンは、FXなどの雑所得以外に所得のない方です。
主に給与所得のない専業主婦・主夫が該当します。
この場合、FXなどの雑所得の合計が48万円を超える方は確定申告して税金を納める必要があります。
注意点1:FX所得以外の理由で確定申告する場合
1つ目の注意点は、FXなどの雑所得の合計が上記以下であっても、FX所得以外の理由で確定申告する場合は、FX所得も含めて申告する必要があることです。
・給与所得が2000万円以上の方
・住宅ローン控除を受ける方
・ふるさと納税でワンストップ特例制度を利用していない方 etc
例えば、ふるさと納税でワンストップ特例制度を利用しなかった方が寄付金控除を受けるためには、所得税の確定申告が必要になります。
その場合、FXなどの雑所得が確定申告を省略できる20万円以下であったとしても、確定申告書に雑所得額を記載し、税金を納めます。
つまり、雑所得が一定以下であれば処理の簡略化のため確定申告自体を省略しもよいが、どうせ他の理由で確定申告するのであれば金額に関係なく雑所得も記載して税金を納める必要があるということです。
注意点2:住民税の確定申告は必須
2つ目の注意点は、住民税の確定申告は必須であることです。
所得税の確定申告は省略できる場合がありますが、住民税は所得に関わらず確定申告して税金を納める必要があります。
所得税の確定申告をする場合は、その中に住民税の確定申告も包括されているため、個別に行う必要はありません。
一方で、所得税の確定申告をしない場合、個別に住民税の確定申告を行います。
FX所得に課せられる税金の計算
FXなどの雑所得には、所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%で合計”20.315%”の税率がかかります。
税金=雑所得の合計×20.315%(または5%)
具体例を3つのパターンに分けてみてみましょう!
【FX所得が100万円】
税金=100万円×20.315%=20万3150円
【FX所得が20万円(確定申告しなかった場合)
税金=20万円×5%=1万円
【FX所得が20万円(確定申告した場合)】
税金=20万円×20.315%=4万630円
注意点1:損益通算をお忘れなく!
確定申告する際の1つ目の注意点は、”損益通算を忘れないこと”です。
損益通算とは、同じ所得区分の「金」・「原油」・「商品先物取引」など他の雑所得とFXの所得を合算して計算することです。
FX以外の所得で損失が出ている場合、FXの利益と通算して税金を計算することができ、節税になります。
注意点2:FX所得がマイナスの時こそ確定申告を!
確定申告する際の2つ目の注意点は、”雑所得がマイナスの時こそ確定申告すること”です。
利益が出ていないから確定申告しなくていいやと思いがちですが、損失が出ている時こそ確定申告しましょう!
損失分の確定申告を毎年することで、初回の申告から3年間、損失を繰り越すことができます。
「損失の繰越」をしておくと、利益が出た年に、繰り越した損失を利益からマイナスして所得を計算することができます。
具体例を見てみましょう。
【今年】
20万円の損失が出たので確定申告して損失を繰り越しておく
【翌年】
50万円の利益が出たので確定申告して納税額を確定
所得=50万円ー20万円=30万円
損失が出た時こそ確定申告をしておくことで、翌年以降で節税できる可能性が広がります。
忘れずに確定申告することをおすすめします!
【まとめ】少額取引のイメージと、FX初心者にもおすすめの少額取引向け業者3選
今回の記事では、FXで課せられる税率や具体的なケースを見ながら、FXに関する税金について解説しました!
➡FX所得は1円から、所得税・住民税の2つの税金が課せられます。
ただし、所得によっては住民税のみ納税します。
➡所得=1年間で決済した取引の損益(利益-損失)+スワップポイントー必要経費
➡税金=雑所得の合計×20.315%(または5.315%)
FX所得はいくらから税金が課せられるのか、FXに対する税金の考え方を理解して、正しく税金を納められるように注意しましょう!